2019.12.20
「紅茶」の力で幸せな地域を創る
魅力的な方にお会いしました。Y’s teaの根本泰昌さん。栃木県宇都宮市出身。
元々は大手製薬会社で働いていたそうですが、「もっと地元の商店街を元気にしたい」「もっと人の役に立つことをしたい」という思いから、何をするかも決めずに脱サラ。プー太郎になった彼は、一人、模造紙を前に、丸一日かけて5000個の起業アイデアを出したそうです。その結果、やりたい20個の条件にすべて合っていたのは、唯一「紅茶」。最初は「え?紅茶?」と思ったそうです。なんで俺が紅茶? これはありえないんじゃないか? しかし、自分が作った条件には合っている。じゃあ、やってみようではないか。そう決断したそうです。
宇都宮は紅茶の産地でもなんでもない。しかも、宇都宮は「日本でもっとも紅茶を飲まない」町。だから、最初はみんなに反対され、笑われたそうです。
しかし、紅茶について猛烈に学び、起業。紅茶の会社を具現化。紅茶を通して、街を活性化し、みんなが幸せな社会を作ることを目指しました。外との華やかな活動は絶ち、店に100%いて、理念を熱く周りに語り、いいものを伝えることに専念しました。愚直に、共感の輪を広げました。営業しない。販促しない。地道に地域に寄り添って、人々と接したり、商店街のゴミ拾いをしたり。
その結果、Y’s teaの思いは宇都宮中に広がりました。なんと、2010年の総務省データで、紅茶の消費量が全国1位になるまでに発展。調査によると、90%の市民が、紅茶を飲むようになったきっかけはY’s teaだと答えたとのこと。なんと、始めてからわずか4年後には、宇都宮市民50万人に思いが広まったのです。
なんという波及効果。一人の情熱が、都市の人々を変えるのです。たくさんの記事になったり、障がいのある方が紅茶を入れて提供するようになったり、いたずらっ子の保育園生が真剣に紅茶を入れて飲むようになったり、小学生の過半数が紅茶部に入るようになったり、小学校が文部科学大臣賞を受賞したり。様々な奇跡が起きたそうです。
すべての紅茶は根本さんがブレンドしています。私も、シャンパンパーティーというブレンドティーを飲みましたが、まるでシャンパンのような(いや、シャンパン以上の)豊かな香り。「お酒を飲めない人も楽しめる紅茶を」という思いで作った紅茶。他にも思いのこもったたくさんの多彩な紅茶があります。
幸せの4つの因子に当てはめてみましょう。
やってみよう因子:会社を辞め、万難を廃し、5000個もアイデアを出し、そこから出てきたアイデアを具現化する粘り強さ。すさまじい「やってみよう」因子です。
ありがとう因子:ふるさと宇都宮を元気にしたい、という思いから始めていること自体、利他です。つながりと感謝の因子(ありがとう因子)そのものですね。人のためになりたい、と心から思う人の力は強いです。
なんとかなる因子:逆境をものともせず、自分を信じで進む力強さ。会社を辞める時の信念も、5000個のアイデアの中から予想外だった紅茶を選ぶ力強さも、かっこいいです。なんとかなると思って力強く進むからこそなんとかなる、というすばらしい事例です。
ありのままに因子:宇都宮で紅茶って、普通に考えたら無謀。餃子じゃあるまいし。しかし、自分は自分の道を行く。言われてみると、「宇都宮の人は日本一紅茶を飲まない」ということは「日本で一番、紅茶の売り上げを伸ばすポテンシャルのある地域」ともいえますよね。それに直感的に(無意識に)気づき実践するありのままさ。すばらしいです。
根本泰昌さん、まさに幸せな人ですね。幸せ認定!
Y’s tea
http://www.y-tea.com